Last update 2006/02/05




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読書日記





ま行



警官嫌い By エド・マクベイン

 87分署の刑事マイク・リアダンが後頭部に2発の弾丸を受けて死亡した。法と秩序のシンボルである警官殺しに憤怒した87分署の刑事たちは、凶器となった四五口径の銃を持つ犯人探しに躍起になった。そんな中、同じく87分署のデイヴィッド・フォスターが殺された。凶器は同じく四五口径の銃だった。
 キャレラとブッシュは、殺された二人が過去に逮捕した男を追うが空振りに終わり、新米警官がチンピラ愚連隊のゴタゴタに巻き込まれて負傷する。襲われた警官たちは、皆私服のときに襲われている。襲われたのが偶然警官だったのか、それとも87分署の警官が狙われているのか? そんな中、今度はハンク・ブッシュが襲われる・・・。

 地道に事実を積み重ね、文字通り「足で捜査する」という言葉がぴったりだ。非常に読みやすくて面白い。本格ミステリとは異なって、謎が一箇所に沈殿することなく、全体を通してサックリしているのが特徴的である。
 「おれはただ、刑事というのは名探偵なんてものではねえと思うだけさ」「刑事になるには、頑丈な二本の脚と頑固さがありゃいいんだ」とブッシュの言葉は、いい意味でこの作品を象徴している。

(読了 : 2005/07/10)



By 森鴎外

 貧窮の生活から抜け出し、老いた父に楽をさせたい一心から高利貸の末造の妾となったお玉は、無縁坂に越してからは女中と二人暮らしを始めることになった。高利貸の妾ということで回りの対応は冷たかった。そんな中、いつも一人で散歩する医学生の岡田が目にとまり、お玉は密かに思いを寄せる。
 ある日、末造に買って貰った紅雀が蛇に襲われ、それを岡田に助けられた。お礼に手紙を書きたかったが、お玉は手習をする暇がなかったので満足な手紙も書けない。そんな時、末造が千葉に出張することになり、今度こそは岡田にお声を掛けようと決め、女中を親元に帰した・・・。

 少し堅い文章なのに吸い付けられるよう読み進めることが出来た。人物の描き方が表現力に富んでおり、比喩も魅力的である。「僕」の回想形式という点から、岡田が主人公とされているが、やはりお玉に重きをおいているように感じた。『雁』というタイトルも好きだ。

(読了 : 2005/01/21)






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