Last update 2006/02/05




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な行



ファンタズム By 西澤保彦

 印南野市で起きる女性殺人事件。ロープで絞殺された矢萩里沙子の口の中には、人名と思しき『坤徳樹理』と印字されたメモ用紙が発見され、凶器のスパナからは犯人の指紋が検出された。しかし、警察の捜査も犯人までは及ばず、第二の事件が発生する。同じく印南野市に住む女子大生の古波蔵恵美が果物ナイフでメッタ刺しにされて殺された。被害者の口には、矢萩里沙子の殺人事件を報じた新聞を残し、果物ナイフからは同じ指紋が発見される。
 そして、矢萩里沙子が殺されたちょうど一年後、同窓会のために印南野市に帰省した本浪直美が溺死させられた。現場には第二の事件を報じる新聞と指紋が残されていた。事件はその後も、真理、樹理とつづく・・・。

 物語の視点は、犯人と思しき有銘継哉と警察の間で往復される。本格ミステリか、さもなくば叙述ミステリの形式で話が進められるが、結末はその期待を裏切るものである。純然たるミステリではない。また、単なる幻想小説でもない。しかしながら、西澤保彦の旨味が出ている作品であるように思う。殺人者"ファントム"は、著者自信ではなかろうか。

(読了 : 2005/03/27)






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